今年は7月から猛暑が続いています。
室内でも熱中症になる人が多く、熱中症予防をニュースなどでも頻繁に呼び掛けていますね。
暑すぎる、寒すぎると感じる部屋は不快なだけではなく身体に大きな負担をかけます。
熱中症や血行不良などは温度ストレスが身体を直撃した例ですが、
ストレスがきっかけで思わぬ病気を引き起こしたり、寝不足や不注意からのケガを誘発することもあります。
健康な暮らしのためには、室内を快適な環境に保つのはとても大切なことです。
そこでこの記事では「温度」に注目して、人が快適と感じる温度設定についてお伝えします。
エアコンの上手な使い方についてもご案内していますので、是非最後までお読みください!
一般の人が快適に感じるエアコンの設定温度
【省エネ温度設定:夏は28℃、冬は18~20℃】
快適と感じる室内温度は、建築物衛生法によると次のように定められています。
夏場:温度25~28℃ 湿度55~65%
冬場:温度18~22℃ 湿度45~60%
※建築物衛生法:厚生労働省の定めた学校やオフィス、百貨店、図書館などの衛生的な環境の指針
ちなみに、政府の提唱している省エネ温度は、夏は28度、冬は18~20度です。
28℃というと上限ぎりぎりですね(^^;
オフィスでは28℃というとちょっと暑く感じる温度だと思います。
オフィスで28℃設定はあり?
昼間働く環境では28℃では生産性が上がらないというデータがあります。
わたしにとっても28℃は
『我慢できる範囲ではあるが、清々しい温度ではない』
というのが正直なところ。
実際に役所などいくと、このくらいの温度設定の所、結構あります。
しかし、昼間の仕事の効率が上がらないので逆に残業時間が増えている事例も報告されています。
一時の過剰な省エネ、節電の反省から、最近では働く環境の設定温度は26℃前後が妥当、との見方が増えています。
家庭の中では薄着になるなど衣類の工夫がしやすいので、26~28℃くらいでも消費電力を抑えながら快適に過ごすことができます。
赤ちゃんや高齢者のエアコン設定温度
【赤ちゃん・高齢者の温度設定:夏は27℃、冬は20~22℃程度】
一般の人と高齢者では快適な温度範囲はどう変わるでしょうか。比較した研究によると、
一般の人の場合は、夏場は27℃±3、冬場は21℃±3が目安となります。
高齢者・障害者の場合は快適範囲が狭まり、夏場は27℃±2、冬場は23℃±2となっています。
出典 吉田あきら「アメニティー空間を創る」理工学図書
高齢者・障害者の場合、適応範囲が狭くなっています。
また、冬場は2℃の温度差があり、高齢者の方が高い温度を快適だと感じていることがわかります。
温度調整機能が不十分な赤ちゃんも適応範囲が狭いので同じように考えられますね。
ですから、一般の人
政府の提唱している省エネ温度:夏は28℃、冬は18~20℃
に対し、
赤ちゃん・高齢者に快適な温度:夏は27℃、冬は20~22℃
程度と考えられます。
冬場は寒さを感じることはなく夏場も汗をかかない室温というと、病院の温度設定に似ていますね。
病院の温度設定は、夏は25~27℃、冬は20~22℃ が標準となっています。
そういえばわたしが出産したのは8月で残暑厳しい時でしたが、病院ではずっと快適に過ごしていました。
弱った身体にも優しい温度設定になっていたのだと思います。
エアコンの上手な使い方
ここからはエアコンを上手に使うポイントです。
上手に使うと冷えすぎや暖め過ぎがなくなるので節電にもなりますよ!
温湿度計を利用して適正な温度・湿度をチェック!
エアコンの設定温度だけだと正確な温度や湿度がわかりません。
冷えすぎや暖め過ぎを避けるためは、こまめに温湿度計でチェックするのがおススメです。
温度計(湿度計)を置く場所は外気の影響を受けやすい窓際やエアコンの風の当たる位置は避けます。
また、急激な温度差は脳卒中など循環器系の病気を引き起こします。
高齢者がいる場合はトイレや脱衣所に温度計を置き、居間との温度差をチェックするのも有効です。
エアコンの風が直接身体に当たらないように心がける
身体はデリケートなので、直接冷風が当たると必要以上に体温が下がってしまいます。暖房の場合も同様です。
エアコンの吹き出し口を調整して、冷気や暖気が直接身体に当たるのを避けるようにします。
特に就寝中は体調を崩す原因となりますので気を付けてください。
夏場の注意点
熱中症になる人のうち室内で発症する人は40%にものぼります。
特に高齢者と子どもは体力がなく、夏場の脱水症にかかりやすいので、脱水からくる熱中症に注意が必要です。
高齢者の場合は、体力を過信したり、節電意識からエアコンを我慢してしまうことがあります。温度に対する感覚が鈍くなっている場合もあります。
また、子ども(特に赤ちゃん)の場合は脱水や不快感自体をうまく表現することができません。
周りの人が温度や湿度に気を配ってあげてください。
冬場の注意点
暖房するときに、このような温度差はありませんか?
上下の温度差
床の近くだけヒヤヒヤしたり、頭がぼーっとしたりするのは上下の温度差がある証拠です。
サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させたり、エアコンの風向きを調整したりして温度差を無くすようにすると快適になります。
部屋ごとの温度差
廊下やトイレと居間の温度差のように、部屋ごとに温度が極端に違うのも身体にとっては大きなストレスです。場合によっては脳卒中の引き金となることもあるので厳重な注意が必要です。
ただ、家の断熱性能が高い場合は家全体を同じ温度にすることができますが、家の断熱性が低いとロスが大きく、コストばかりかかってしまいます。
その場合は、暖房の入っていない部屋に行くときは上着を羽織るなどして身体への負担を小さくします。
衣服をぬぐ脱衣場では温度計で温度差をチェックし、小型の暖房器具を置くなどの対策をしておくと有効です。
節電にもなる!エアコンのお掃除方法
お掃除機能のついているエアコンでも、使い続けるとフィルターにホコリがたまってきます。
そのままにしておくと・・
電気代がかさむだけでなくホコリとカビで病気のリスクも高まります。
エアコンをさらに効率よく使うには?
まとめ
一般の人から高齢者、赤ちゃんまでエアコンの快適な温度設定について見てきました。
省エネも大事ですが…
身体を壊してしまっては元も子もありません。
健康のためにも適正な温度設定でお過ごしください。
わたしも以前はそうでしたが冬場のエアコンを嫌がる方が多くいらっしゃいます。
エアコンをつけるとのどや肌が乾燥するので苦手でした。
でも、風に直接当たらないことや加湿器を一緒に使えば大丈夫だと気づいたのが数年前のことです。
なんといっても暖房のコストが一番かからないのがエアコンです!
オイルヒーターなど他の暖房器具に比べて快適性に劣る部分はありますので、快適性とコストを比較して必要な器具を選んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。