和の住宅で美しく暮らす・和室の「天井」には美的センスがあらわれる!

センスの良い住宅をつくるためのヒントを

日本伝統の茶室や数寄屋からひもといて、

そのエッセンスをご紹介しています。

 

今回、取り上げたいのは

「天井」です。

 

天井というと。。

 

床材や壁紙などに比べ、

住宅の中でもほとんど重要視されないパーツですね(^^;

 

でも、天井にこだわると、

空間がぐっとハイセンスに感じられるんです♬

 

そこで今回は、茶室や数寄屋に見る美しい天井や、

ローコストでもできる、住宅で取り入れられる

天井デザインのご紹介をしていきます。

 

和室はもちろんですが、

洋室の玄関、廊下でも

実は天井のデザインは重要なポイントなんです!

 

実例を交えながらご紹介してゆきますので

どうぞ最後までお付き合いください♪

天井に一番気を使ってきた、日本の建物

あなたの暮らす部屋の天井はどんな仕上げでしょうか?

 

洋室なら白いクロス貼り、

和室なら板の模様の合板、というのが

築40年以内の住宅やマンション、アパートでは

一般的な仕上げです。

 

天井は平らなのが普通で、

住宅の天井というと、あまり個性のあるパーツには

感じませんよね。

 

でも、日本の伝統的な建築というと

昔から天井に凝ったデザインのものが

多いんです。

 

天井の種類あれこれ

では、伝統的な日本建築で見られる天井を

ご紹介したいと思います。

 

一つ目は竿縁天井という、

竿縁と呼ばれる細長い木材を一定間隔で渡し、

その上に、直交するように薄い天井板を並べたもの。

和室天井のスタンダードです。

こちらは建材メーカー、南海プライウッドの製品の写真を

お借りしました。

 

数寄屋だと、この竿縁天井も

もう一ひねりしたデザインのものがみられます。

こちらは竿縁を細く面取りして仕上げに漆を塗ってています。

ちょっと艶っぽい感じですね。

 

※数寄屋というと厳密には茶室のことですが、

広くは茶室のあるような建物の全体、

また茶室にこだわらず、建て主さんがこだわって作った日本家屋を指して使っています。

 

同じ竿縁でも、板の材質や木目で印象が変わってきます。

 

こちらは格式の高い部屋で、

樹齢何百年という木からとった板を使っており

実はすごくお金がかかってます(^^;

 

上に張る板の幅でまた印象が変わってくるので、

比べてみると面白いですね。

 

それから、細長い角材を格子状に組んで、板を張ったもの。

これは格(ごう)天井と呼ばれています。

 

格天井は竿縁天井よりも格式が高く、玄関なんかにも使われます。

 

茶室など、もう少しカジュアルな部屋だと

柔らかいデザインになってきます。

こちらは網代(あじろ)天井。

薄い杉板や竹を編んだものを使っています。

 

実はちょっとした料亭や

和モダンの建物にも良く使われている

おしゃれな仕上げです♬

同じような茶室の仕上げで

萩や蒲を並べたものも。

素朴さを表現しています。

 

竿縁天井でも、

竿縁に皮つきの細い丸太を使ったり、

 

板と網代を組み合わせたり、

といった、自由なデザインも。

 

これもみんな数寄屋の天井です。

 

屋根裏のように見せた天井仕上げは

駆け込み(かけこみ)天井と呼ばれます。

これも茶室だと定番の仕上げです。

天井は実際の屋根裏ではなく、

実際はあらためて二重に作っているという

凝った仕上げです。

 

屋根の傾きなりに斜めになった天井は、

下屋になっている廊下の天井にも良く使われます。

 

そして、個人的には大好きな民家の木組みを見せたもの。

黒光りするダイナミックな丸太梁と高い天井が

部屋を独自のものにしています!

 

これも和風な表現の一つなんですね。

 

和室が天井に凝る理由とは?

最初に、一般的な住宅の天井は平らでクロス仕上げなどが多く、

あまり凝ったものは見られないと説明しました。

 

これはもちろん、コストを下げるという意味もあるのですが(^^;

洋風な建築だとあまり天井には凝らないのが普通です。

 

洋風といっても教会やモスクのような建物は別ですが

住宅のような規模の建物だと

フラットな天井が定番なんですね。

 

では、なぜ和風の建物では天井に気を配るのでしょうか?

 

明確な答えはありませんが、一つには、

日本人が「床に座る」暮らしをしてきたこと関係がある、

と言われています。

 

そう言われてみると、畳に座ったり、寝転んだりすると

椅子の時よりも天井がより意識されるように感じます(^^;

 

理由はともあれ、天井にちょっとこだわると

和風の空間がより引き締まることは確かです。

 

逆もあり・・

 

ハウスメーカーの作ったフラットな和室を「茶室」にリフォームする場合。

畳に釜を置くための『炉』を切るだけでは、なんとなくしっくりきません。

 

これは、天井のデザインだったり、

天井の高さが「茶室」向けになっていないからで、

天井はそれだけ大事なパーツということがわかります。

 

現代に取り入れやすい和風天井のデザインとは?

和風の天井をいくつかご紹介しましたが、

でれだけ素晴らしいものでも、

 

一般に、建築可能なコストでないと作れませんし、

デザインが現代の家に合うかどうかも問題ですね。

 

取り入れやすい、おすすめデザインはこちらです。

竿縁天井

和室の定番・竿縁天井ですが、

空間が引き締まるので玄関などにもおすすめです。

 

 

上が杉板の目透かし張り、

下が竿縁天井です。

 

同じような写真で比較してみると

フラットな板の目透かしと比べて

竿縁を入れただけでも奥行が出るのを

感じられるでしょうか?

 

材料の選定がコストが変わってきますが、

スタンダードな価格で施工が可能です。

 

網代(あじろ)天井

本物の板や竹を編むような網代は高価なものです。

 

でも、編んだものがボード状になって

使いやすい建材になっている、

網代ベニヤというものもあります。

 

コストも抑えながら、おしゃれな和の仕上げをしたい場合におすすめです。

 

和室や床の間の他、玄関や廊下、トイレなど

アイデア次第で和にも、洋にも使える素材ですよ。

こちらは、リノベーションした住宅玄関の天井を網代天井にした実例です。

網代の面積は畳1畳分ですが、玄関に入るとちらっと見える仕上げ。

こんな使い方もいかがでしょうか。

梁の見える天井

梁をあわしにした天井には、他にない魅力がありますね。

自分が好きというのもありますが・・

 

キッチンを勾配天井にして、丸太梁をあらわしにしました。

 

以上は本物の、構造の梁ですが

古材を購入してきて、デザインパーツとして内側から入れる場合もあります。

店舗なんかはたいていこのパターンです。

アンティーク好きのオーナーさんのリビングに

着色した梁や古材を使い、インテリアをリフォームした例です。

もともとはハウスメーカーの建てた普通の白い壁の部屋でしたが

イメージがガラッと変わりました。

 

増築した部屋では丸太梁も入れています。

古い梁はアンティークの照明や古建具と良く似合いますね。

 

天井の梁が見える場合も、

無塗装の仕上げだとナチュラルな雰囲気になります。

こちらは二世帯住宅の親世帯部分のダイニングです。

壁は漆喰仕上げ、床は胡桃のフローリングです。

 

 

以上がおすすめの和風天井仕上げでした。

 

天井について、仕上げと同じか、実はそれ以上に大切なのが

天井の高さ、です。

 

それについては別の機会にまたご紹介します。

次回もお楽しみに!


コメントは受け付けていません。