和の住宅で美しく暮らす・縁側は究極のなごみ空間!作り方のポイントは?

茶室や数寄屋、伝統的な日本家屋をヒントにワンランク上の美しい住宅をつくる方法をシリーズでお伝えしています。

 

三回目の今回のテーマは『縁側』です。

 

縁側のある風景、

それは、日本人のDNAに強く刻まれている懐かしい景色ではないでしょうか。

、、

この記事では、数寄屋に見る魅力的な縁側や、

癒しの縁側を自宅につくる時のポイントなどをお伝えしていきます。

どうぞ最後までお付き合いください。

縁側は日本の景色と良く似合う

「縁側」を簡単に説明すると、和室の前にある外に面した廊下なのですが、

Wikipediaによると、こんな風に解説されています。

縁側(えんがわ)は、日本の和風家屋の独特の構造で、の建物の縁(へり)部分に張り出して設けられた板敷き状の通路である。庭等外部から直接屋内に上がる用途ももつ。

通路でありながら、ベランダのような機能も持っているところが

和室を知らない若い世代や外国人には、逆に新鮮に映るのかもしれません。

 

それでは最初に、日本家屋の美しい縁側をご紹介します。

 

美しい日本の縁側

縁側は、昭和の時代にはほとんどの家についていたのではないでしょうか。

 

明治から昭和中期くらいまでの住宅を実測調査すると、広縁(ひろえん)といって、

少し奥行きのある縁側が付いていることが多いです。

のんびりとした空気が流れていますね。

 

もう少し前の江戸時代だと、ガラス戸もないので、

雨戸を開けるとこんな風に吹きっさらしです。

縁の下が広いのも特徴です。

 

この時代の豪農の家や武家屋敷などを見ると

良い場所にある部屋の周りには

必ず縁が回っている形式が多く見られます。

 

室内に廊下がなく、部屋と部屋がつながっている分

通路として機能していたんですね。

 

テラスのように

外との一体感を楽しむためにつけられたものも。

 

縁側全体や一部に畳を敷く場合もあります。

数寄屋や料亭の廊下が多いです。

 

これは、足に優しい、寒くないというのもありますが

縁側と部屋の一体感が出るので

より部屋が広く感じられます。

 

京都にある『聴竹居』という、昭和初期に建てられたモダン住宅では

庭に面した一番いい場所にサンルームのような縁側を設けています。

 

縁側の天井デザイン

縁側の天井は、屋根の形に合わせて掛込天井(勾配がついている)の場合も。

これも古い日本家屋の特徴です。

 

時代が少し新しくなってガラスとが入るようになっても、

天井のデザインは残っています。

天井にこだわるのが数寄屋建築ですが、

縁側の天井や庇の裏側は、特に気合がはいった仕上げのことが多いです。

 

日本家屋に縁側が欠かせない理由とは?

江戸時代から昭和まで、日本家屋にあった「縁側」。

縁側のある家からは、和の穏やかな雰囲気を感じます。

 

外観のデザインを整える

最近の家が日本家屋っぽくなくなったのには、

和室が消えたからでも、瓦屋根が少なくなったからでもなく、

縁側が消えたからかもしれません。

 

縁側にはそれだけ、外観のデザインを日本風に整える効果があります。

 

軽やかな屋根の数寄屋でも、

 

重厚な瓦屋根でも、

深いくて低い軒先(屋根の先端)がつくる、

水平ラインが協調されるデザインが

日本の家特有の陰影のある外観をつくっています。

 

 

たとえ瓦や漆喰を使ったとしても、

下屋やひさしのない家は和風にならない・・

 

写真で見るとよくわかりますね!

 

外部との一体感を醸し出す

もう一つには、

「縁側」という内とも外ともいえない曖昧な領域を設けることで

自然との一体感を楽しんできたのではないかと思います。

そして、景色は縁側や軒というフレームで切り取ることで

外に出て見るよりも奥行や繊細さを感じることができます。

 

軒裏(屋根の裏側)や縁側の天井部分が

室内より凝った仕上げになっている理由、

 

それは、絵画の額や掛け軸の表装にこだわるように、

外の景色を際立たせるための計算にもなっています。

 

自宅に美しい縁側を作るポイント

ここからは

  • 自宅に縁側をつくってのんびりしたい
  • 縁側のように、外の空気を感じながら過ごせるスペースが欲しい

こう思う人のために、縁側を作る場合のポイントをお伝えします。

 

縁側から見える景色を整える

日本家屋特有の、内と外との境界にあるのが「縁側」。

専門的には中間領域といったりします。

 

特に縁側は、窓辺を開放して楽しむもの。

 

それだけに、

外の景色が心和むものでないと、

障子やカーテンはしめっぱなし、なんてことにも。

 

庭や外の空間を整えてこそ、縁側の良さが発揮されます。

 

日本の優れた建物は、

必ず室内から見える庭の景色を大切にしています。

奥行のないスペースでも、

石や木の配置で奥行を出すテクニックがありますので

造園屋さんや設計士にご相談ください。

 

縁側の奥行きは広めに取る

廊下の幅は普通3尺(約0.9m)が標準です。

 

これが、縁側というと、昔の住宅では奥行き4尺(約1.2m)の所が多く、たいていは奥行きを広めにとっているようです。

 

3尺と4尺、ほんのわずかな違いですが、奥行き4尺のちょっと広めのスペースはのびのびとした印象です。

すると、くつろぐのにぴったりの、ゆったりとした縁側になります。

 

面積やコストの制約もあることですが、幅3尺(0.9m)だとどうしても窮屈な印象です。

0.5尺(15㎝)だけでも広げるのがおすすめです。

 

濡れ縁という選択肢

縁側にはあこがれるけど、限られた面積の中では夢かも・・

 

そんな時でも、濡れ縁ならば後付けで設置可能で、手軽に縁側ライフが楽しめます。

 

濡れ縁とは

雨戸の外側などに付けられた縁側のことをいいます。
風雨を防ぐ壁などがなく、雨水に濡れるためにこのように呼ばれます。室内の縁側とは異なり、壁面に対して直角方向に縁板を張るのが一般的です。

出典:不動産用語集ホームズ

簡単にいうと和風のウッドデッキといったところです。

 

アマゾンでも買える濡れ縁ですが、もちろん大工さんに依頼して作ることもできます。

とてもいい雰囲気になります。

 

濡れ縁を置いたら、

  • 庭の樹木や石にこだわる
  • 踏み石の配置で遊んでみる
  • 沓脱石を置いてみる

などの要素を重ねていくと、さらに良い雰囲気に。

愉しんでみてください。

 

縁側には自然と人が集まってきます。

 

ついつい座りたくなる、

そんな縁側や濡れ縁ができたら成功です。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

是非、和みの縁側を生活に取り入れてみてください。


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